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鎌倉のアトリエ
− Atelier in Kamakura −
 
Photo. Satoshi Nagare
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Photo. Satoshi Nagare
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Photo. Satoshi Nagare
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Photo. Satoshi Nagare
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Photo. Satoshi Nagare
Photo. Satoshi Nagare

鎌倉の丘陵の縁に建つ、築90年を超える家屋をアトリエに改修したプロジェクト。クライアントが普段生活する母屋の「はなれ」の建物となる。ここではアーティストや料理家を招くなどして、クライアントと共に創作の時間を過ごしたり、友人をもてなすための空間を求められた。

建物は鎌倉特有の切り立った崖の中腹にある、家屋一件分ほどの広さの平地に建っている。敷地は多種多様な緑に囲まれ、四季の移ろいが感じられる豊かな環境。東側に視界が開けて陽の光が射し、西側にはそびえ立つ崖があることで、刻々と移り変わる光と影の調和が見て取れる。設計者が初めて現場に案内された時、建物の外壁、内壁、天井、設備類は全て撤去され、元の部屋割りも判別できない、躯体だけが取り残されている状態であった。木造の古いまっすぐな柱と周囲の樹々の縦に伸びる幹が相まって、その隙間から太陽の光が見え隠れするその様に、建築と環境の調和が感じられる空間が偶然にも生まれていた。本計画は修繕補強と屋内環境を整えることが最優先でありながら、目指す建築でも屋内外の環境の調和と距離感を大切に考えることを初見で意識することが出来た。

改修計画は、建物の骨格を大切に補強と修繕をする一方、撤去前の状態に復元することは意図せず、最低限の操作で刷新し、周囲の環境と調和したタイムレスな建築空間を作ることを目指した。建物のアイデンティティを感じ取れる既存の窓建具は修繕し、長年建物を支えてきた束石は別の役割に転用するなど、建物を構築してきた素材を見捨てずに次の時代に継承して繋げていくことも試みている。躯体を添え柱、添え梁で補強した露出箇所は、既存木材と補強木材の色味を塗装で合わすことはせずに素地のまま、構造補強の事実を現すようにした。長年空き家でありながら朽ちることなく残った建物への尊重と、新旧の共存と永続をこの計画の象徴とも見えるようにしている。

これは本計画全般における方針として、経年変化を肯定に捉えているからでもある。外壁の焼杉板、建具などの木部、ドアノブの真鍮金物など、経年による変化も慈しめる素材の選定も心がけた。加えて、クライアントが以前の住居で使用した後、大切に保管していた栗の木の無垢のフローリングや照明、所有していたアンティークの窓枠も取り入れている。クライアントが過ごした時間を感じさせる建材を調和させることで、生まれ変わる建物に親和性を帯びさせることを意図している。

1階には主にアトリエ、キッチン、ダイニングを配置し、階段室の位置と天井高さの差異で適度な領域を作りながら行き止まりのない回遊性のある平面計画とした。また、2階の無双窓を開閉することで、1階の人の気配や声、外からの風や薪ストーブの暖気などの気流を1階2階で繋げることで、建物全体がワンルームのような大らかな建築にしている。

屋内外の調和を図るのに、開口部を相互位置関係と視認の連続性を意識して計画している。位置については大きい開口部を2つ1組に、対角、対面、直角の相互関係を基本に配置し、屋外の環境との心理的距離を近くすることを計画している。加えて視認の連続性については、開口部を横断するアトリエとデッキの床を同じコンクリート仕上げにすることで連続性を作り、屋内外から互いに空間を意識させる効果を計画している。一方、2階個室の床面と開口部の関係では、床仕上げをガラス面との境で断ち切ることで、屋外の風景を近い距離に感じるようにし、屋内外の密接を計画している。

 

Title

Completion year

Site

Project

Building area

Total floor


Direction

Construction

Landscape

Plastering

Atelier in Kamakura / 鎌倉のアトリエ

2024

Kamakura, Kanagawa, Japan

Renovation

67.08 m2

85.87 m2


Tomoko Chris / クリス智子(cafune 主宰)

Deguchi tateguten / 株式会社出口建具店

Art Base Garden Obaen / 大庭園

Junpei Hasado / 挟土隼平



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